年収900万円・独身のMさん(52歳)は、年金暮らしの母(76歳)と同居しています。母を扶養に入れると、所得税の扶養控除は同居老親等の58万円。月々の天引きでは「扶養1人=38万円相当」で計算されていたので、差額20万円が年末調整で精算され、還付は約69,500円になります。独身・控除なしなら約8,200円なので、扶養の申告が還付の大部分を占めます。
公開日:2026年11月3日 / 金額は当サイトの試算(概算)です
Mさんの給与所得は7,050,000円で、基礎控除は62万円の区分(天引きの前提58万円との差は4万円)。母は公的年金のみで年150万円の収入があり、65歳以上の公的年金等控除110万円を引くと所得は40万円。扶養親族の要件(合計所得62万円以下)を満たします。
70歳以上の扶養親族は「老人扶養親族」で控除48万円、さらに本人または配偶者と同居している直系尊属なら「同居老親等」で58万円です。Mさんは扶養控除等申告書の老人扶養親族欄に母を書き、「同居老親等」にチェックを入れました。
| 還付が生まれる理由 | 内容 | 還付への効果 |
|---|---|---|
| 基礎控除の引上げ58万円→62万円 | 58万円→62万円 | 8,200円 |
| 家族の控除(月々の38万円との差)老人扶養控除 | 老人扶養控除 | 40,900円 |
| 生命保険料控除控除額60,000円 | 控除額60,000円 | 12,200円 |
| 地震保険料控除控除額40,000円 | 控除額40,000円 | 8,200円 |
| 還付の目安(合計)天引き544,500円−年税額475,000円 | 天引き−年税額 | 69,500円 |
Mさんの税率は20%。同居老親等の差額20万円の分が約40,900円、地震保険料控除(持ち家・年4万円で全額控除)と生命保険料控除の分を合わせて、還付は約69,500円です。基礎控除の引上げ分は約8,200円にとどまります。
試算の前提:令和8年分(2026年1〜12月)の給与収入のみ・東京都・協会けんぽ・ボーナスなしの会社員。社会保険料は2026年度の料率で計算。「月々の天引き」は令和8年分の源泉徴収税額表が前提とする控除(基礎控除58万円、扶養親族等1人あたり38万円相当)で年額に換算した近似値で、実際の税額表の端数処理や月ごとの給与の増減により数千円程度ずれることがあります。年税額は令和8年分の年末調整のルール(基礎控除104万/67万/62万円など)で計算し、100円未満を切り捨てています。
扶養親族の要件は「合計所得金額62万円以下」(令和8年分〜)。親の収入が公的年金だけなら、公的年金等控除を引いた所得で判定します。
| 親の年齢 | 公的年金等控除(年金330万円以下) | 扶養に入れる年金収入の目安 |
|---|---|---|
| 65歳以上 | 110万円 | 172万円以下 |
| 65歳未満 | 60万円 | 122万円以下 |
改正前(所得58万円以下)は65歳以上で年金168万円以下が目安でした。今回4万円上がったことで、これまで少しだけ超えていた親を扶養に入れられるケースがあります。ただし年金以外に収入(パート収入、不動産収入など)がある場合は合算して判定します。
目安は公的年金等に係る雑所得以外の所得がない場合の計算です。公的年金等控除の額は所得要件によって変わる場合があります。
親が老人ホームに入居している場合は、住民票を移していなくても「同居」とはみなされないとされています。病気の治療のための入院であれば、同居として扱われるのが一般的です。迷う場合は勤務先の担当者や税務署に確認しましょう。
親の分の支払いをMさんが負担している場合、控除になるものとならないものがあります。
| 支払い | Mさんの控除になる? | 手続き |
|---|---|---|
| 母の介護保険料・後期高齢者医療保険料(年金天引き) | ならない(天引きされた母本人の控除) | — |
| 母の国民健康保険料をMさんの口座から納付 | なる(社会保険料控除) | 年末調整で申告可 |
| 母の通院・入院の医療費をMさんが負担 | なる(医療費控除) | 確定申告が必要 |
| 母の介護サービス費(医療系サービス) | 医療費控除になるものがある | 確定申告が必要 |
医療費控除は年末調整ではできません。母の医療費が多い年は、年明けに確定申告で医療費控除を申告すると、年末調整の還付とは別にさらに所得税が戻ります(年末調整でできないもの)。
扶養家族を入れて手取りを計算年収・扶養人数を入れると、2026年分の所得税・住民税と手取りを確認できます。
手取りと税金を計算する →| 年収 | 独身 | 夫婦(配偶者控除) | 夫婦+大学生・高校生 |
|---|---|---|---|
| 年収800万円 | 18,400円 | 18,400円 | 34,800円 |
| 年収850万円 | 18,400円 | 18,400円 | 69,500円 |
| 年収900万円 | 8,200円 | 8,200円 | 69,500円 |
| 年収950万円 | 8,200円 | 8,200円 | 79,700円 |
| 年収1,000万円 | 8,200円 | 8,200円 | 89,900円 |
独身・控除なしの還付目安は、年収900万〜1,000万円で約8,200円と小さくなります。合計所得655万円を超えると基礎控除の上乗せは4万円だけだからです。この年収帯では、扶養家族や保険料の申告の有無が還付額の大半を決めます。
いずれも生命保険料控除などがない場合の目安です。「夫婦+大学生・高校生」は配偶者・20歳と17歳の子がいずれも収入なし。大学生の子(特定扶養控除63万円)は月々の天引きでは1人38万円相当として扱われるため、差額の25万円分も年末調整で戻ります。
年収900万円の例では、同居老親等の扶養控除58万円のうち月々の天引きで反映されていない20万円分が戻り、保険料控除を含めた還付は約69,500円です(令和8年分・当サイト試算)。
令和8年分は合計所得62万円以下が要件で、65歳以上で公的年金のみなら年金収入172万円以下、65歳未満なら122万円以下が目安です。
老人ホームに入所している場合は同居とはみなされず、70歳以上なら老人扶養親族(48万円)として扱うのが原則です。病気治療のための入院なら同居として扱われるのが一般的です。
医療費控除は年末調整ではできません。生計を一にする親の医療費を負担した場合は、確定申告で医療費控除を受けられます。
年収900万円の手取りの内訳は「年収900万円の手取りはいくら?」、医療費控除やふるさと納税と合わせた節税は「年収900万円のふるさと納税の上限」もどうぞ。
本ページの金額は2026年11月時点で公表されている令和8年分の制度にもとづく当サイトの試算で、実際の還付額を保証するものではありません。賞与の有無、月ごとの残業代、勤務先の計算方法によって結果は変わります。