年末調整は「会社がやってくれる給与の所得税の精算」、確定申告は「自分でするすべての所得の精算」です。給与だけで、控除も会社が把握できるものだけなら年末調整で完結します。どちらが必要か、両方するときはどうするかを判定フローで整理しました。
公開日:2026年11月3日 / 2026年11月時点の制度で解説
| 年末調整 | 確定申告 | |
|---|---|---|
| 誰がする? | 勤務先(会社) | 本人 |
| 対象 | 給与所得(1か所目の勤務先) | すべての所得 |
| 時期 | 11月〜12月(翌年1月) | 翌年2月16日〜3月15日(還付申告は1月から・5年以内) |
| できる控除 | 基礎・配偶者・扶養・特定親族・保険料・iDeCo・住宅ローン(2年目〜)など | 年末調整の控除+医療費控除・寄附金控除・雑損控除・住宅ローン(1年目)など |
| お金の動き | 給与で還付・徴収 | 口座に還付・自分で納付 |
ざっくり言えば、年末調整は「会社が代わりにやってくれる簡易版の確定申告」です。給与以外の所得がなく、控除も会社が把握できるものだけなら、年末調整で1年の所得税が完結します。会社では扱えないもの(医療費やふるさと納税、副業の所得)がある人だけ、確定申告を追加でします。
判定フローの「はい」に当てはまる人は確定申告が必要です。このうち副業所得20万円超・給与2,000万円超・2か所給与は申告しないといけないケース、医療費控除やふるさと納税は申告すれば税金が戻るケースです。ふるさと納税は、確定申告が不要な会社員で寄附先が5自治体以内ならワンストップ特例で済ませられます。
年末調整を受けた人が確定申告をするときは、源泉徴収票の「支払金額」「源泉徴収税額」「所得控除の額」などをそのまま確定申告書に転記し、そのうえで医療費控除などを追加します。年末調整で受けた控除が消えてしまうことはありません。
例:年収500万円・独身のAさんが年末調整で約39,200円の還付を受けたあと、医療費が年25万円かかったとして医療費控除15万円を確定申告すると、税率5%なので所得税が約7,600円さらに戻り、翌年の住民税も約1.5万円下がります。
確定申告をするとふるさと納税のワンストップ特例は無効になるので、寄附金控除も確定申告書に書きます。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で源泉徴収票の数字を入れれば計算は自動です(年末調整でできないもの)。
会社員の確定申告不要の条件は「給与以外の所得が20万円以下」などですが、これは所得税の話です。住民税にはこの「20万円以下は不要」のルールがないため、副業所得が少額でも、市区町村への住民税の申告が必要になります。また、医療費控除などで確定申告をする場合は、20万円以下の副業所得も含めて申告しなければなりません(副業がある人の年末調整)。
年収から手取り・所得税・住民税を計算年収・扶養・iDeCo掛金を入れると、2026年分の手取りと税金の内訳がわかります。年末調整で戻る額を考える前の「年税額」の確認にどうぞ。
手取りと税金を計算する →年末調整は勤務先が給与の所得税を精算する手続き、確定申告は本人が1年間のすべての所得と控除を申告して所得税を精算する手続きです。
できます。医療費控除やふるさと納税などを追加するときは、源泉徴収票の内容を確定申告書に転記し、追加の控除を申告します。
給与収入が2,000万円を超える人、給与以外の所得が20万円を超える人、2か所以上から給与を受けている人(一定の場合)などです。医療費控除や住宅ローン控除1年目を受けたい人も確定申告をします。
2026年分は2027年2月16日から3月15日までです。税金が戻るだけの還付申告は、翌年1月1日から5年間提出できます。
年末調整では扱えないふるさと納税の控除上限(年収・家族構成別)も確認しておくと、年末の寄附額を決めやすくなります。
本ページは2026年11月時点で公表されている令和8年分の制度にもとづく解説・試算です。個別の取扱いは勤務先の担当者、税務署、税理士にご確認ください。