「同僚は4万円以上戻ったのに、自分は2万円ほどだった」——年収700万円前後の人からはそんな声が出そうです。令和8年分の基礎控除は、合計所得489万円を超えると104万円ではなく67万円。年収700万円のIさん(44歳・配偶者と高校生・中学生の子)の還付は約20,500円で、独身・控除なしなら約18,500円です。どうして差が出るのか、何を申告すれば増やせるのかを整理します。
公開日:2026年11月3日 / 金額は当サイトの試算(概算)です
Iさんの給与所得は5,200,000円で、489万円を超えているため基礎控除は67万円(改正前の天引きの前提58万円との差は9万円)です。家族は専業主婦の配偶者(配偶者控除38万円)、17歳の高校生(扶養控除38万円)、14歳の中学生(16歳未満のため扶養控除なし)。月々の天引きでも配偶者と高校生の2人分が反映されているので、家族の分の差額は出ません。
| 還付が生まれる理由 | 内容 | 還付への効果 |
|---|---|---|
| 基礎控除の引上げ58万円→67万円 | 58万円→67万円 | 9,300円 |
| 生命保険料控除控除額85,000円 | 控除額85,000円 | 8,700円 |
| 地震保険料控除控除額25,000円 | 控除額25,000円 | 2,500円 |
| 還付の目安(合計)天引き182,600円−年税額162,100円 | 天引き−年税額 | 20,500円 |
基礎控除の差9万円の効果は、Iさんの税率10%で約9,300円。終身保険(一般 年10万円)と医療保険(介護医療 年4万円)の生命保険料控除85,000円、持ち家の地震保険料控除25,000円で、還付は合計約20,500円です。子どもが23歳未満なので一般の生命保険料控除の上限は6万円になり、Iさんの一般枠は55,000円(通常なら40,000円)です。
試算の前提:令和8年分(2026年1〜12月)の給与収入のみ・東京都・協会けんぽ・ボーナスなしの会社員。社会保険料は2026年度の料率で計算。「月々の天引き」は令和8年分の源泉徴収税額表が前提とする控除(基礎控除58万円、扶養親族等1人あたり38万円相当)で年額に換算した近似値で、実際の税額表の端数処理や月ごとの給与の増減により数千円程度ずれることがあります。年税額は令和8年分の年末調整のルール(基礎控除104万/67万/62万円など)で計算し、100円未満を切り捨てています。
基礎控除の引上げ幅は、合計所得の区分ごとに次のように違います。月々の天引きの前提(58万円)との差が、そのまま還付の「もと」になります。
| 合計所得 | 年収の目安(給与のみ) | 令和8年分の基礎控除 | 天引きとの差 |
|---|---|---|---|
| 489万円以下 | 約665万円以下 | 104万円 | 46万円 |
| 489万円超655万円以下 | 約665万〜850万円 | 67万円 | 9万円 |
| 655万円超2,350万円以下 | 約850万〜2,545万円 | 62万円 | 4万円 |
年収650万円の人は46万円×10%で約4.7万円、Iさんは9万円×10%で約0.9万円。差は年収の違いではなく、基礎控除の区分の違いから生まれています。今回の改正は「中低所得層の手取りを増やす」ことを狙ったもので、所得が高くなるほど上乗せが小さくなる設計です。
基礎控除の区分は変えられませんが、年末調整で申告できる控除を漏れなく出すことで還付は増えます。Iさんのケースで、控除ごとの「所得税の戻り」を計算しました(税率10%×1.021)。
| 控除 | 控除額 | 所得税の戻り |
|---|---|---|
| 生命保険料控除(一般・子育て特例) | 55,000円 | 約5,600円 |
| 生命保険料控除(介護医療) | 30,000円 | 約3,100円 |
| 地震保険料控除 | 25,000円 | 約2,600円 |
| (参考)iDeCo 月2.3万円 | 276,000円 | 約28,200円 |
Iさんは来年からiDeCoを始めることにしました。所得税だけで年約2.8万円、住民税を含めると年約5.6万円の節税になる計算で、今年の年末調整の還付より大きな効果があります(iDeCo・小規模企業共済の年末調整)。
14歳の中学生は扶養控除の対象外ですが、扶養控除等申告書の「住民税に関する事項」の16歳未満の扶養親族欄に書きます。住民税の非課税判定などに使われるほか、23歳未満の扶養親族として生命保険料控除の上乗せ特例の判定にもかかわります。書き漏れても所得税の年末調整の結果が大きく変わることは少ないものの、来年以降の判定のためにも記入しておきましょう(扶養控除等申告書の書き方)。
年収700万円の手取りを計算配偶者・扶養人数・40歳以上の介護保険料を反映して、2026年分の手取りと税金を確認できます。
手取りと税金を計算する →| 年収 | 独身 | 夫婦(配偶者控除) | 夫婦+大学生・高校生 |
|---|---|---|---|
| 年収600万円 | 47,000円 | 47,000円 | 36,200円 |
| 年収650万円 | 47,000円 | 47,000円 | 44,200円 |
| 年収700万円 | 18,500円 | 9,300円 | 34,800円 |
| 年収750万円 | 18,400円 | 18,400円 | 34,800円 |
| 年収800万円 | 18,400円 | 18,400円 | 34,800円 |
独身・控除なしの還付目安は、年収650万円で約47,000円、700万円で約18,500円、750万〜850万円も約18,400円で横ばいです。年収約665万〜850万円は基礎控除の上乗せが9万円で一定のため、税率20%の人でも約1.8万円にとどまります。
いずれも生命保険料控除などがない場合の目安です。「夫婦+大学生・高校生」は配偶者・20歳と17歳の子がいずれも収入なし。大学生の子(特定扶養控除63万円)は月々の天引きでは1人38万円相当として扱われるため、差額の25万円分も年末調整で戻ります。
独身・控除なしで約18,500円、夫婦+高校生・中学生で生命保険・地震保険がある例では約20,500円が目安です(令和8年分・当サイト試算)。
対象外です。合計所得489万円(給与収入のみで約665万円)を超えると基礎控除は67万円、655万円(約850万円)を超えると62万円です。
月々の天引きの前提(基礎控除58万円)との差が、合計所得489万円以下は46万円なのに対し、489万円超は9万円しかないためです。
扶養控除はありませんが、扶養控除等申告書の住民税欄に記入します。23歳未満の扶養親族として生命保険料控除の上限6万円の特例の判定にも関係します。
年収700万円の手取りの内訳は「年収700万円の手取りはいくら?」、医療費控除やふるさと納税と合わせた節税は「年収700万円のふるさと納税の上限」もどうぞ。
本ページの金額は2026年11月時点で公表されている令和8年分の制度にもとづく当サイトの試算で、実際の還付額を保証するものではありません。賞与の有無、月ごとの残業代、勤務先の計算方法によって結果は変わります。