住宅ローン控除の2年目は、年末調整で一番「大きく戻る」年です。年収650万円のHさん(38歳・配偶者と5歳の子)の場合、令和8年分の還付は約193,000円。1年間に天引きされた所得税がほぼ全額戻り、年税額は0円になります。控除しきれなかった約84,900円は全額、2027年度の住民税から差し引かれる見込みです。
公開日:2026年11月3日 / 金額は当サイトの試算(概算)です
Hさんは2025年3月に省エネ基準適合の新築マンションに入居し、1年目(2025年分)は確定申告で住宅ローン控除を受けました。2年目の今年からは年末調整で控除できます。2026年末のローン残高は3,200万円の見込みで、控除額は残高×0.7%=224,000円。子育て世帯(19歳未満の子がいる)なので、2024・2025年入居の省エネ基準適合住宅の借入限度額は4,000万円で、残高は全額対象です。
年末調整では、まず配偶者控除・基礎控除・生命保険料控除を引いて所得税を計算し(算出税額139,100円)、そこから住宅ローン控除を差し引きます。
| 還付が生まれる理由 | 内容 | 還付への効果 |
|---|---|---|
| 基礎控除の引上げ58万円→104万円 | 58万円→104万円 | 47,000円 |
| 生命保険料控除控除額39,000円 | 控除額39,000円 | 4,000円 |
| 住宅ローン控除年末残高3,200万円×0.7% | 年末残高3,200万円×0.7% | 142,000円 |
| 還付の目安(合計)天引き193,000円−年税額0円 | 天引き−年税額 | 193,000円 |
算出税額139,100円に対して住宅ローン控除は224,000円あるので、所得税は0円。1年間に天引きされた約193,000円がそのまま戻ります。基礎控除の引上げ分(約47,000円)も、住宅ローン控除がある人にとっては「控除しきれない額が増える」形になり、最終的な還付額は所得税の天引き額が上限です。
試算の前提:令和8年分(2026年1〜12月)の給与収入のみ・東京都・協会けんぽ・ボーナスなしの会社員。社会保険料は2026年度の料率で計算。「月々の天引き」は令和8年分の源泉徴収税額表が前提とする控除(基礎控除58万円、扶養親族等1人あたり38万円相当)で年額に換算した近似値で、実際の税額表の端数処理や月ごとの給与の増減により数千円程度ずれることがあります。年税額は令和8年分の年末調整のルール(基礎控除104万/67万/62万円など)で計算し、100円未満を切り捨てています。
住宅ローン控除が所得税より大きい場合、残りは翌年度の住民税から差し引かれます。上限は所得税の課税総所得金額等の5%(最高9万7,500円)です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 住宅ローン控除額(残高×0.7%) | 224,000円 |
| 所得税から控除(年末調整) | 139,100円 |
| 控除しきれなかった額 | 84,900円 |
| 住民税の控除上限(課税所得2,366,000円×5%、最高97,500円) | 97,500円 |
| 2027年度の住民税から控除される見込み | 84,900円 |
Hさんの場合、控除しきれなかった分は住民税でほぼ吸収されます。
住民税の控除は自動で計算され、2027年5〜6月に届く住民税の決定通知書の「税額控除」欄で確認できます。手続きは不要です。
夫婦でペアローンや連帯債務にしている場合は、それぞれの持分・負担割合で残高を按分して、各自の年末調整で申告します。Hさんは単独ローンなので按分は不要です(住宅ローン控除2年目以降の書き方)。
今回の基礎控除の引上げは、合計所得489万円以下なら104万円、489万円超655万円以下なら67万円です。給与収入だけの人なら年収およそ665万円が境目になります。
| 年収(独身) | 合計所得 | 基礎控除 | 還付の目安 |
|---|---|---|---|
| 650万円 | 4,760,000円 | 104万円 | 47,000円 |
| 660万円 | 4,840,000円 | 104万円 | 47,000円 |
| 665万円 | 4,885,000円 | 104万円 | 48,900円 |
| 666万円 | 4,894,000円 | 67万円 | 12,000円 |
| 700万円 | 5,200,000円 | 67万円 | 18,500円 |
年収665万円あたりを超えると、基礎控除が37万円減り、還付の目安も3万円以上下がります。ただし手取り全体で見れば年収が多いほうが有利なので、境目を意識して働き方を変えるほどの差ではありません。
住宅ローンの返済額もチェック手取り計算ツールで2026年分の税金と手取りを確認し、返済計画の見直しにも役立ててください。
手取りと税金を計算する →| 年収 | 独身 | 夫婦(配偶者控除) | 夫婦+大学生・高校生 |
|---|---|---|---|
| 年収550万円 | 47,000円 | 34,900円 | 36,300円 |
| 年収600万円 | 47,000円 | 47,000円 | 36,200円 |
| 年収650万円 | 47,000円 | 47,000円 | 44,200円 |
| 年収700万円 | 18,500円 | 9,300円 | 34,800円 |
| 年収750万円 | 18,400円 | 18,400円 | 34,800円 |
住宅ローン控除がない独身会社員なら、年収650万円の還付目安は約47,000円。年収700万円では約18,500円と大きく下がります。上の表のとおり、合計所得489万円(年収約665万円)で基礎控除が104万円から67万円に切り替わるためです。
いずれも生命保険料控除などがない場合の目安です。「夫婦+大学生・高校生」は配偶者・20歳と17歳の子がいずれも収入なし。大学生の子(特定扶養控除63万円)は月々の天引きでは1人38万円相当として扱われるため、差額の25万円分も年末調整で戻ります。
年収650万円・残高3,200万円の例では約193,000円で、天引きされた所得税がほぼ全額戻ります。控除しきれない分は翌年度の住民税から最大97,500円まで差し引かれます。
会社員なら2年目以降は年末調整で控除できます。税務署から届く住宅借入金等特別控除申告書と、必要に応じて金融機関の年末残高等証明書を勤務先に提出します。
2023年(令和5年)1月1日以後に入居し、金融機関に住宅ローン控除の適用申請書を提出している場合は、残高情報が税務署に提供されるため、年末調整での証明書の添付は不要です。
控除しきれない額は翌年度の住民税から、所得税の課税総所得金額等の5%(最高97,500円)まで差し引かれます。それでも残る額は切り捨てです。
年収650万円の手取りの内訳は「年収650万円の手取りはいくら?」、医療費控除やふるさと納税と合わせた節税は「年収650万円のふるさと納税の上限」もどうぞ。
本ページの金額は2026年11月時点で公表されている令和8年分の制度にもとづく当サイトの試算で、実際の還付額を保証するものではありません。賞与の有無、月ごとの残業代、勤務先の計算方法によって結果は変わります。