年収550万円の会社員Fさん(45歳)は、配偶者がスーパーのパートで年収130万円。令和8年分の年末調整では配偶者控除38万円を受けられ、還付は約34,500円の見込みです。今年は扶養の所得要件が58万円から62万円(給与収入なら123万円→136万円)に上がったので、パート収入の「壁」の位置も変わりました。収入別の早見表で確認しましょう。
公開日:2026年11月3日 / 金額は当サイトの試算(概算)です
配偶者の給与収入130万円から給与所得控除(令和8年分は最低74万円)を引くと、所得は560,000円。62万円以下なので、Fさんは配偶者控除38万円の対象です。改正前の基準(58万円)なら配偶者特別控除38万円で、控除額そのものは同じでしたが、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」のどちらになるかで申告書の書く欄が変わります。
月々の天引きでは、配偶者は「源泉控除対象配偶者」として扶養親族等の数1人(38万円相当)に数えられています。そのため配偶者の分の差額は出ず、還付の中心は基礎控除の引上げです。Fさんは40歳以上なので介護保険料も天引きされ、社会保険料は年873,492円です。
| 還付が生まれる理由 | 内容 | 還付への効果 |
|---|---|---|
| 基礎控除の引上げ58万円→104万円 | 58万円→104万円 | 32,500円 |
| 生命保険料控除控除額40,000円 | 控除額40,000円 | 2,000円 |
| 還付の目安(合計)天引き117,500円−年税額83,000円 | 天引き−年税額 | 34,500円 |
Fさんの年末調整後の税率は5%。基礎控除の差46万円の分が約32,500円、一般の生命保険料(年8.4万円→控除4万円)の分を合わせて約34,500円が戻る計算です。
試算の前提:令和8年分(2026年1〜12月)の給与収入のみ・東京都・協会けんぽ・ボーナスなしの会社員。社会保険料は2026年度の料率で計算。「月々の天引き」は令和8年分の源泉徴収税額表が前提とする控除(基礎控除58万円、扶養親族等1人あたり38万円相当)で年額に換算した近似値で、実際の税額表の端数処理や月ごとの給与の増減により数千円程度ずれることがあります。年税額は令和8年分の年末調整のルール(基礎控除104万/67万/62万円など)で計算し、100円未満を切り捨てています。
同じ年収550万円のFさんで、配偶者の給与収入だけを変えて計算しました。配偶者控除・配偶者特別控除の額は、本人(Fさん)の合計所得が900万円以下の場合の金額です。
| 配偶者の給与収入 | Fさんの控除 | Fさんの年税額 | 還付の目安 |
|---|---|---|---|
| 100万円 | 控除 38万円 | 83,000円 | 34,500円 |
| 130万円 | 控除 38万円 | 83,000円 | 34,500円 |
| 136万円 | 控除 38万円 | 83,000円 | 34,500円 |
| 150万円 | 特別控除 38万円 | 83,000円 | 34,500円 |
| 160万円 | 特別控除 38万円 | 83,000円 | 34,500円 |
| 180万円 | 特別控除 26万円 | 89,100円 | 67,200円 |
| 200万円 | 特別控除 6万円 | 99,300円 | 57,000円 |
| 207万円 | 特別控除 3万円 | 102,200円 | 54,100円 |
| 210万円 | 対象外 | 105,200円 | 51,100円 |
ポイントは2つあります。1つ目は、配偶者の年収が160万円前後までならFさんの控除は38万円で変わらないこと。配偶者控除(〜136万円)から配偶者特別控除(136万円超)に切り替わっても、所得95万円(給与約169万円)までは同じ38万円です。2つ目は、配偶者特別控除は給与収入207万円以下まで段階的に続くことです。
表の下のほうで「還付」が逆に増えて見えるのは、配偶者の所得が95万円(給与約169万円)を超えると「源泉控除対象配偶者」に当たらず、月々の天引きでは配偶者の分が差し引かれていなかったためです。その分を年末調整でまとめて取り戻すので還付は大きくなりますが、Fさんの1年間の税金(年税額)は配偶者の年収が上がるほど増えています。比べるときは還付額ではなく年税額を見てください(配偶者控除・配偶者特別控除2026)。
パートで働く配偶者がいる家庭で混乱しやすいのが、「税金の扶養」と「社会保険の扶養」の違いです。今回の改正で上がったのは税金(所得税)の扶養の基準で、健康保険・年金の扶養(被扶養者)の基準は別に決まっています。
Fさんの配偶者(年収130万円)は、税金上は配偶者控除の対象でも、社会保険の扶養は「130万円未満」の基準なので外れる可能性があります。健康保険の扶養の条件は加入している健康保険の案内で確認してください。
配偶者控除・配偶者特別控除は、基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書(いわゆる「マル基・マル配」)の真ん中の欄に書きます。Fさんの場合は次のとおりです。
配偶者の年収は12月時点ではまだ確定していないこともあるので、見積額で書いて構いません。年明けに見積もりと違っていた場合は、勤務先で再年末調整(1月末まで)をしてもらうか、確定申告で訂正します。
配偶者の有無で手取りを比べる手取り計算ツールで「配偶者控除あり」を選ぶと、所得税・住民税の違いを確認できます。
手取りと税金を計算する →| 年収 | 独身 | 夫婦(配偶者控除) | 夫婦+大学生・高校生 |
|---|---|---|---|
| 年収450万円 | 23,500円 | 23,500円 | 36,300円 |
| 年収500万円 | 39,200円 | 23,600円 | 36,300円 |
| 年収550万円 | 47,000円 | 34,900円 | 36,300円 |
| 年収600万円 | 47,000円 | 47,000円 | 36,200円 |
| 年収650万円 | 47,000円 | 47,000円 | 44,200円 |
独身・控除なしの場合、年収550万円の還付目安は約47,000円、配偶者控除を受ける夫婦では約34,900円です。夫婦のほうが少し小さいのは、配偶者控除で課税所得が下がり、税率5%で計算される部分が増えるためです(基礎控除の差46万円にかかる税率が下がる)。
いずれも生命保険料控除などがない場合の目安です。「夫婦+大学生・高校生」は配偶者・20歳と17歳の子がいずれも収入なし。大学生の子(特定扶養控除63万円)は月々の天引きでは1人38万円相当として扱われるため、差額の25万円分も年末調整で戻ります。
令和8年分は、配偶者控除38万円と生命保険料控除を含めて約34,500円が目安です(40歳以上・当サイト試算)。
令和8年分から、配偶者控除の対象となる配偶者の合計所得は62万円以下、給与収入のみなら136万円以下です(改正前は58万円・123万円)。配偶者特別控除は給与収入207万円以下まで段階的に受けられます。
配偶者の所得が62万円以下なら配偶者控除、62万円超133万円以下なら配偶者特別控除です。本人の合計所得900万円以下なら、配偶者の所得95万円までは控除額がどちらも38万円です。
年末調整は見積額で行い、確定額と違った場合は翌年1月末までなら勤務先で再年末調整、それ以降は確定申告で訂正します。控除が過大だった場合は不足税額を納めます。
年収550万円の手取りの内訳は「年収550万円の手取りはいくら?」、医療費控除やふるさと納税と合わせた節税は「年収550万円のふるさと納税の上限」もどうぞ。
本ページの金額は2026年11月時点で公表されている令和8年分の制度にもとづく当サイトの試算で、実際の還付額を保証するものではありません。賞与の有無、月ごとの残業代、勤務先の計算方法によって結果は変わります。