年末調整で「いちばん書き方がわからない」と言われるのがこの申告書です。1枚に基礎控除・配偶者控除等・特定親族特別控除・所得金額調整控除の4つが入っていますが、全員が書くのは基礎控除の欄だけ。令和8年分は基礎控除の区分が変わったので、区分の選び方を中心に解説します。
公開日:2026年11月3日 / 2026年11月時点の制度で解説
正式名称は「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」。経理の現場では「マル基・マル配」などと略して呼ばれます。2025年分から特定親族特別控除の欄が加わり、4つの申告書を1枚で出す形になりました。
全員が書くのは①の基礎控除の欄だけ。②〜④は該当する人だけが書きます。
給与だけの人は、「給与所得」欄に今年の給与収入の見込みと、そこから計算した給与所得を書きます。給与所得は申告書の裏面の表(令和8年分の給与所得控除)で計算します。令和8年分の基礎控除は次のとおりです。
| 合計所得金額 | 給与収入の目安 | 基礎控除 |
|---|---|---|
| 489万円以下 | 約665万円以下 | 104万円 |
| 489万円超655万円以下 | 約665万〜850万円 | 67万円 |
| 655万円超2,350万円以下 | 約850万〜2,545万円 | 62万円 |
| 2,350万円超2,400万円以下 | — | 48万円 |
| 2,400万円超2,450万円以下 | — | 32万円 |
| 2,450万円超2,500万円以下 | — | 16万円 |
例:年収500万円の人の給与所得は3,560,000円で、489万円以下なので基礎控除は104万円。年収700万円の人は給与所得5,200,000円で67万円です。副業の所得や不動産所得がある人は、それも合計した「合計所得金額」で区分を判定します。
基礎控除の区分は、令和8年分の申告書の様式に沿って記入します(区分の記号は様式で確認してください)。合計所得が2,500万円を超えると基礎控除はありません。
配偶者の今年の収入を見積もり、配偶者控除(所得62万円以下)か配偶者特別控除(62万円超133万円以下)かを判定します。本人の合計所得が1,000万円を超える人は書けません。
| 配偶者の給与収入 | 配偶者の所得 | 控除(本人の所得900万円以下) |
|---|---|---|
| 100万円 | 260,000円 | 配偶者控除 38万円 |
| 136万円 | 620,000円 | 配偶者控除 38万円 |
| 150万円 | 760,000円 | 配偶者特別控除 38万円 |
| 169万円 | 950,000円 | 配偶者特別控除 38万円 |
| 180万円 | 1,060,000円 | 配偶者特別控除 26万円 |
| 200万円 | 1,260,000円 | 配偶者特別控除 6万円 |
| 207万円 | 1,330,000円 | 配偶者特別控除 3万円 |
パート収入は12月の分も含めた見込みで書きます。くわしくは配偶者控除・配偶者特別控除2026をご覧ください。
③ 特定親族特別控除は、19〜22歳の子など(特定親族)の所得が62万円を超え123万円以下のときに書きます。大学生の子がアルバイトで給与136万円超197万円以下を稼いだ場合が典型です。親族の氏名・マイナンバー・所得の見積額を書き、控除額の表から金額を選びます(特定親族特別控除)。
④ 所得金額調整控除は、給与収入が850万円を超え、本人が特別障害者か、23歳未満の扶養親族・特別障害者の同一生計配偶者や扶養親族がいる場合に書きます。控除額は(給与収入−850万円)×10%、最大15万円で、会社が計算します。夫婦の双方が同じ子について申告できるのが、扶養控除との大きな違いです(年収950万円・共働きの例)。
迷ったら:この申告書は「見積もり」で書くものです。12月時点で確定していない収入は見込みで書き、確定後に大きく違っていたら、翌年1月末までの再年末調整か確定申告で訂正します。
年収から手取り・所得税・住民税を計算年収・扶養・iDeCo掛金を入れると、2026年分の手取りと税金の内訳がわかります。年末調整で戻る額を考える前の「年税額」の確認にどうぞ。
手取りと税金を計算する →基礎控除を受けるために原則として全員が提出します。配偶者控除・特定親族特別控除・所得金額調整控除の欄は、該当する人だけが記入します。
合計所得金額489万円以下は104万円、489万円超655万円以下は67万円、655万円超2,350万円以下は62万円です。2,350万円を超えると段階的に減り、2,500万円超はゼロです。
給与収入から給与所得控除を引いて計算します。令和8年分の給与所得控除の最低保障は74万円で、申告書の裏面の計算表を使うと簡単です。年収500万円なら給与所得は356万円です。
12月分を含めた1年間の見込み額で記入します。確定額が見込みと違った場合は、翌年1月末までの再年末調整か確定申告で訂正します。
年末調整では扱えないふるさと納税の控除上限(年収・家族構成別)も確認しておくと、年末の寄附額を決めやすくなります。
本ページは2026年11月時点で公表されている令和8年分の制度にもとづく解説・試算です。個別の取扱いは勤務先の担当者、税務署、税理士にご確認ください。