「共働きで配偶者控除も扶養控除もないから、年末調整は関係ない」と思われがちですが、年収950万円のNさん(39歳)の令和8年分の還付は約115,600円の見込みです。独身・控除なしなら約8,200円なので、ほとんどは所得金額調整控除・iDeCo・保険料控除によるもの。年収850万円を超える子育て世帯が見落としやすい控除を中心に整理します。
公開日:2026年11月3日 / 金額は当サイトの試算(概算)です
Nさんの配偶者も会社員(年収400万円)なので配偶者控除はなく、6歳と3歳の子は16歳未満で扶養控除もありません。月々の天引きは独身と同じ「扶養親族等の数0人」です。
ただし年収が850万円を超え、23歳未満の扶養親族(子)がいるため、所得金額調整控除が使えます。控除額は(給与収入−850万円)×10%で、Nさんは100,000円。これは給与所得から差し引く控除で、月々の源泉徴収税額表には反映されていません。
| 還付が生まれる理由 | 内容 | 還付への効果 |
|---|---|---|
| 基礎控除の引上げ58万円→62万円 | 58万円→62万円 | 8,200円 |
| 家族の控除(月々の38万円との差)所得金額調整控除10万円 | 所得金額調整控除10万円 | 20,400円 |
| 生命保険料控除控除額120,000円 | 控除額120,000円 | 24,500円 |
| 地震保険料控除控除額30,000円 | 控除額30,000円 | 6,200円 |
| iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)年276,000円 | 年276,000円 | 56,300円 |
| 還付の目安(合計)天引き733,800円−年税額618,200円 | 天引き−年税額 | 115,600円 |
Nさんの税率は20%。所得金額調整控除の分が約20,400円、生命保険料控除12万円の分が約24,500円、iDeCo(年27.6万円・個人払込)の分が約56,300円、地震保険料控除の分が約6,200円。基礎控除の引上げ(58万円→62万円)の分は約8,200円です。
試算の前提:令和8年分(2026年1〜12月)の給与収入のみ・東京都・協会けんぽ・ボーナスなしの会社員。社会保険料は2026年度の料率で計算。「月々の天引き」は令和8年分の源泉徴収税額表が前提とする控除(基礎控除58万円、扶養親族等1人あたり38万円相当)で年額に換算した近似値で、実際の税額表の端数処理や月ごとの給与の増減により数千円程度ずれることがあります。年税額は令和8年分の年末調整のルール(基礎控除104万/67万/62万円など)で計算し、100円未満を切り捨てています。
所得金額調整控除(子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除)は、給与収入が850万円を超え、次のいずれかに当てはまる人が対象です。
扶養控除と違い、同じ子について夫婦の双方が適用を受けられるのが特徴です。Nさんの配偶者は年収400万円なので対象外ですが、夫婦とも年収850万円超なら、子を扶養親族にしていない側も「同一生計の23歳未満の扶養親族がいる」として申告できます。
| 給与収入 | 所得金額調整控除 |
|---|---|
| 850万円 | 0円(850万円以下は対象外) |
| 900万円 | 50,000円 |
| 950万円 | 100,000円 |
| 1,000万円 | 150,000円 |
| 1,200万円 | 150,000円 |
申告は、基礎控除申告書と一体になった申告書の右端「所得金額調整控除申告書」欄です。子の氏名・生年月日・マイナンバーと、該当する要件にチェックを入れます(基礎控除申告書・所得金額調整控除の書き方)。
Nさんは税率20%なので、所得控除1万円あたり所得税が約2,042円、住民税が1,000円下がります。年末調整で申告した控除の「翌年の住民税まで含めた」効果は次のとおりです。
| 控除 | 控除額(所得税) | 所得税 | 住民税(参考) |
|---|---|---|---|
| iDeCo 月2.3万円 | 276,000円 | 約56,400円 | 約27,600円 |
| 生命保険料控除(3枠) | 120,000円 | 約24,500円 | 約7,000円 |
| 地震保険料控除 | 30,000円 | 約6,100円 | 約1,500円 |
| 所得金額調整控除 | 100,000円 | 約20,400円 | 約10,000円 |
iDeCoは2026年12月の掛金から上限が月6.2万円に上がる予定です。Nさんのように税率20%の人は、上限まで拠出すると所得税・住民税で年約22万円の節税になる計算ですが、60歳まで引き出せない点とのバランスで決めましょう(iDeCoの年末調整)。
16歳未満の子は扶養控除がないので、所得税だけを見ればどちらの扶養でも税額は同じです。ただし次の点で差が出ます。
iDeCoの節税額を手取りで確認年収とiDeCo掛金を入れると、所得税・住民税の減り方と手取りがわかります。
手取りと税金を計算する →| 年収 | 独身 | 夫婦(配偶者控除) | 夫婦+大学生・高校生 |
|---|---|---|---|
| 年収850万円 | 18,400円 | 18,400円 | 69,500円 |
| 年収900万円 | 8,200円 | 8,200円 | 69,500円 |
| 年収950万円 | 8,200円 | 8,200円 | 79,700円 |
| 年収1,000万円 | 8,200円 | 8,200円 | 89,900円 |
独身・控除なしの還付目安は、年収950万円で約8,200円。基礎控除の上乗せは4万円だけなので、この年収帯の還付は「何を申告したか」でほぼ決まります。iDeCo月2.3万円と生命保険料8万円を申告した独身の例でも約72,800円です。
いずれも生命保険料控除などがない場合の目安です。「夫婦+大学生・高校生」は配偶者・20歳と17歳の子がいずれも収入なし。大学生の子(特定扶養控除63万円)は月々の天引きでは1人38万円相当として扱われるため、差額の25万円分も年末調整で戻ります。
あります。令和8年分は基礎控除の引上げ分に加え、生命保険料控除・地震保険料控除・iDeCo、年収850万円超で子がいれば所得金額調整控除も精算されます。年収950万円の例では約115,600円です。
受けられます。給与収入が850万円を超え、23歳未満の扶養親族がいるなどの要件を満たせば、同じ子について夫婦それぞれが適用を受けられます。
(給与収入−850万円)×10%で、上限は15万円(給与収入1,000万円以上)です。年収950万円なら10万円です。
月々の源泉徴収税額表には反映されていないため、年末調整で申告して精算します。申告書の所得金額調整控除の欄に記入が必要です。
年収950万円の手取りの内訳は「年収950万円の手取りはいくら?」、医療費控除やふるさと納税と合わせた節税は「年収950万円のふるさと納税の上限」もどうぞ。
本ページの金額は2026年11月時点で公表されている令和8年分の制度にもとづく当サイトの試算で、実際の還付額を保証するものではありません。賞与の有無、月ごとの残業代、勤務先の計算方法によって結果は変わります。