年収850万円のLさん(48歳)は、配偶者と大学1年生(19歳)・高校1年生(16歳)の4人家族。令和8年分の年末調整の還付は約75,100円と、同じ年収の独身者(約18,400円)の4倍近くになります。理由は、大学生の特定扶養控除63万円が月々の天引きでは38万円としてしか扱われていないこと。年収850万円は、基礎控除が67万円でいられる上限の年収でもあります。
公開日:2026年11月3日 / 金額は当サイトの試算(概算)です
Lさんの給与所得は850万円−195万円=6,550,000円。基礎控除67万円の区分(489万円超655万円以下)のちょうど上限です。家族の控除は、配偶者控除38万円、19歳の子の特定扶養控除63万円、16歳の子の扶養控除38万円で合計139万円。
月々の源泉徴収税額表は「扶養親族等の数」で税額が決まる仕組みで、特定扶養親族も一般の扶養親族も同じ1人として数えます。つまり大学生の子の分は38万円相当でしか反映されておらず、残りの25万円は年末調整で初めて控除されます。
| 還付が生まれる理由 | 内容 | 還付への効果 |
|---|---|---|
| 基礎控除の引上げ58万円→67万円 | 58万円→67万円 | 18,400円 |
| 家族の控除(月々の38万円との差)特定扶養控除63万円 | 特定扶養控除63万円 | 44,500円 |
| 生命保険料控除控除額120,000円 | 控除額120,000円 | 12,300円 |
| 還付の目安(合計)天引き293,500円−年税額218,400円 | 天引き−年税額 | 75,100円 |
Lさんの年末調整後の税率は10%。特定扶養の差25万円の分が約44,500円、生命保険料控除12万円(一般・介護医療・個人年金の3枠)の分が約12,300円、基礎控除の差9万円の分が約18,400円です。
試算の前提:令和8年分(2026年1〜12月)の給与収入のみ・東京都・協会けんぽ・ボーナスなしの会社員。社会保険料は2026年度の料率で計算。「月々の天引き」は令和8年分の源泉徴収税額表が前提とする控除(基礎控除58万円、扶養親族等1人あたり38万円相当)で年額に換算した近似値で、実際の税額表の端数処理や月ごとの給与の増減により数千円程度ずれることがあります。年税額は令和8年分の年末調整のルール(基礎控除104万/67万/62万円など)で計算し、100円未満を切り捨てています。
給与収入が850万円を超えると給与所得控除は195万円で頭打ちになり、給与所得は「年収−195万円」になります。年収850万円ならちょうど655万円で、1円でも超えると基礎控除は62万円に下がります。
| 年収 | 合計所得(独身) | 基礎控除 | 独身の還付目安 | Lさん世帯の還付目安 |
|---|---|---|---|---|
| 840万円 | 6,460,000円 | 67万円 | 18,400円 | 65,900円 |
| 850万円 | 6,550,000円 | 67万円 | 18,400円 | 75,100円 |
| 860万円 | 6,650,000円 | 62万円 | 8,200円 | 81,200円 |
| 880万円 | 6,850,000円 | 62万円 | 8,300円 | 89,900円 |
| 900万円 | 7,050,000円 | 62万円 | 8,200円 | 94,000円 |
子育て世帯には、年収850万円を超えると所得金額調整控除(23歳未満の扶養親族がいる場合、(給与収入−850万円)×10%、最大15万円)が加わります。ただし年収が10万円増えても控除は1万円なので、合計所得は9万円増え、基礎控除67万円の区分からは外れます。表の右端のとおり、Lさん世帯では基礎控除の縮小を所得金額調整控除が一部打ち消す形になり、還付の目安の落ち込みは独身より緩やかです。
Lさんは一般・介護医療・個人年金の3つの枠をすべて使って、所得税の生命保険料控除の上限12万円を受けています。各枠の上限は4万円(23歳未満の扶養親族がいるので一般枠は6万円)ですが、合計の上限は12万円のままです。
| 枠 | 年間保険料 | 控除額 |
|---|---|---|
| 一般(終身保険) | 80,000円 | 50,000円(特例で上限6万円) |
| 介護医療(医療保険) | 40,000円 | 30,000円 |
| 個人年金(税制適格) | 80,000円 | 40,000円 |
| 合計 | 200,000円 | 120,000円(上限12万円) |
Lさんの場合、一般枠が特例で5万円に増えても、3枠の合計が12万円の上限を超えるため、控除額は12万円で変わりません。すでに3枠を使い切っている人は、特例の恩恵を受けにくい点に注意してください(生命保険料控除の計算)。
19歳の子が特定扶養控除(63万円)を受けられるのは、子の給与収入が136万円以下(所得62万円以下)の場合です。136万円を超えても197万円以下なら特定親族特別控除に切り替わり、159万円までは同じ63万円の控除を受けられます。
年末調整の時点で子の年収が確定していない場合は、12月分の見込みも含めて見積もります。大学生のアルバイトは12月に稼ぎがちなので、11月の段階で本人に確認しておくと安心です(特定親族特別控除)。
大学生・高校生の扶養を入れて計算扶養人数(高校生・大学生)を入れると、特定扶養控除を反映した2026年分の手取りを確認できます。
手取りと税金を計算する →| 年収 | 独身 | 夫婦(配偶者控除) | 夫婦+大学生・高校生 |
|---|---|---|---|
| 年収750万円 | 18,400円 | 18,400円 | 34,800円 |
| 年収800万円 | 18,400円 | 18,400円 | 34,800円 |
| 年収850万円 | 18,400円 | 18,400円 | 69,500円 |
| 年収900万円 | 8,200円 | 8,200円 | 69,500円 |
| 年収950万円 | 8,200円 | 8,200円 | 79,700円 |
独身・控除なしの還付目安は、年収850万円で約18,400円、900万円では約8,200円に下がります。一方、夫婦+大学生・高校生の家庭は年収850万円で約69,500円と、特定扶養控除と所得金額調整控除の分だけ還付が大きくなります。
いずれも生命保険料控除などがない場合の目安です。「夫婦+大学生・高校生」は配偶者・20歳と17歳の子がいずれも収入なし。大学生の子(特定扶養控除63万円)は月々の天引きでは1人38万円相当として扱われるため、差額の25万円分も年末調整で戻ります。
月々の源泉徴収では扶養親族を人数で数えるため、特定扶養控除(63万円)も一般の扶養控除(38万円)と同じ扱いです。差額の25万円分が年末調整で精算されるため還付が増えます。
給与収入のみなら合計所得は655万円で、基礎控除は67万円です。年収が850万円を超えると62万円になります(23歳未満の扶養親族がいる場合は所得金額調整控除も考慮)。
配偶者控除・大学生と高校生の扶養・生命保険料控除12万円の例で約75,100円が目安です(令和8年分・当サイト試算)。
所得税は一般・介護医療・個人年金の各枠4万円(23歳未満の扶養親族がいれば一般枠は6万円)、合計12万円が上限です。住民税は各枠2.8万円、合計7万円です。
年収850万円の手取りの内訳は「年収850万円の手取りはいくら?」、医療費控除やふるさと納税と合わせた節税は「年収850万円のふるさと納税の上限」もどうぞ。
本ページの金額は2026年11月時点で公表されている令和8年分の制度にもとづく当サイトの試算で、実際の還付額を保証するものではありません。賞与の有無、月ごとの残業代、勤務先の計算方法によって結果は変わります。