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ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できる?損するケースと上限の考え方

住宅ローン控除とふるさと納税は併用できます。上限額の計算にはほとんど影響しませんが、確定申告をする入居1年目は、所得税で引ききれなかった住宅ローン控除が住民税の枠を超えて消えてしまうケースがあります。2年目以降はワンストップ特例を使うのが安全です。

公開日:2026年11月3日 / 2026年11月時点の制度で解説

住宅ローン控除とふるさと納税は併用できる

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とふるさと納税は併用できます。住宅ローン控除は年末のローン残高の0.7%(2022年以降の入居)を所得税から差し引き、引ききれない分は住民税から「課税総所得金額等の5%(最高97,500円)」まで差し引く税額控除です。一方、ふるさと納税の上限を決める特例分の上限は「調整控除後の住民税所得割の20%」で判定されるため、住宅ローン控除があっても上限の計算自体はほとんど変わらないのが一般的です。

入居1年目

  • 住宅ローン控除は確定申告が必須
  • ワンストップ特例は使えない
  • 寄附も確定申告書に記入

2年目以降

  • 住宅ローン控除は年末調整で完了
  • ワンストップ特例が使える
  • 所得税への影響がなく安全

「損する」のはどんなとき?2つの例で試算

注意が必要なのは確定申告でふるさと納税をする場合です。ふるさと納税の所得税分は「所得控除」なので、所得税の課税所得が下がり、そのぶん住宅ローン控除が所得税から引ききれなくなります。引ききれない分は住民税に回りますが、住民税側には上限(課税総所得金額等の5%・最高97,500円)があり、それを超えた分は消えてしまいます。

例1:年収600万円・ローン残高3,000万円

年収600万円・独身・残高3,000万円寄附なし確定申告で上限77,000円寄附
住宅ローン控除額(残高×0.7%)210,000円210,000円
所得税(控除前)146,300円138,800円
所得税で引ききれない額63,700円71,200円
住民税から引ける上限97,500円97,500円
使いきれず消える額0円0円

引ききれない額が住民税側の枠(97,500円)に収まるため、確定申告で寄附しても住宅ローン控除は無駄になりません。

例2:年収400万円・ローン残高4,000万円

年収400万円・独身・残高4,000万円寄附なし確定申告で上限42,000円寄附
住宅ローン控除額(残高×0.7%)280,000円280,000円
所得税(控除前)56,050円54,050円
所得税で引ききれない額223,950円225,950円
住民税から引ける上限56,050円54,050円
使いきれず消える額167,900円171,900円

この例では、ふるさと納税をしなくても住宅ローン控除のうち167,900円は使いきれません(所得税・住民税の枠が控除額より小さいため)。確定申告で上限まで寄附すると、所得税と住民税側の枠がさらに縮み、使いきれない額が約4,000円増えます。これが実質的にふるさと納税の自己負担の上乗せになります。

2026年分は所得税の基礎控除が拡大して所得税自体が小さくなっているため、ローン残高が大きく年収が低めの人ほど住民税側の上限にかかりやすくなります。2年目以降はワンストップ特例を使えば所得税に影響せず、この問題は起きません。

復興特別所得税を除いた基準所得税額で試算。住民税側の上限は2022年以降入居(消費税10%の住宅等)の場合。ローン残高・入居年・住宅の種類で控除率・上限は異なります。

住宅ローン控除がある人のふるさと納税のコツ

図解:住宅ローン控除が「消える」しくみ

住宅ローン控除の流れ:まず所得税から差し引き、引ききれない分は住民税から課税総所得金額等の5%(最高97,500円)まで差し引き、残りは消える。ふるさと納税を確定申告すると所得税が減り、住民税に回る額が増える住宅ローン控除はどこから引かれる?ローン控除額残高×0.7%①所得税からまず全額②住民税から5%・最高9.75万③残りは消滅翌年に繰越なし確定申告でふるさと納税をすると所得控除で①の所得税が減る→ ②に回る額が増える→ ②の枠を超えると③が増える

住宅ローン控除は「所得税→住民税」の順に差し引かれ、住民税側の枠を超えた分は翌年に繰り越せず消えてしまいます。ワンストップ特例では、ふるさと納税の控除はすべて住民税の寄附金税額控除(基本分・特例分・申告特例控除)になり、所得税の計算には影響しません。そのため住宅ローン控除の流れ(①→②)は寄附をしてもしなくても同じです。

なお、住民税からの住宅ローン控除と、ふるさと納税の住民税控除がどちらも大きい場合、住民税所得割を超える控除はできません。年収が低めでローン控除が大きい人は、上限の計算が楽観的になりやすいので、ポータルサイトの詳細シミュレーションで確認するのがおすすめです。

住宅ローン控除がある人の年間スケジュール

住宅ローン控除がある人の手続き1年目と2年目以降の手続き入居した年(1年目)翌年2〜3月に確定申告:住宅ローン控除+寄附金控除2年目以降会社の年末調整で住宅ローン控除が完了2年目以降の寄附ワンストップ特例(5自治体以内・1月10日まで)

1年目は住宅ローン控除の申告に、登記事項証明書や売買契約書の写し、金融機関の残高証明書などが必要です(入居時期・住宅の種類で異なります)。寄附金受領証明書も一緒に準備しておけば、e-Taxで一度に申告できます。2年目以降は勤務先に「住宅借入金等特別控除申告書」と残高証明書を出せば年末調整で完了するので、ふるさと納税はワンストップ特例にまとめるのが最も手間がかかりません。

年収と家族構成からふるさと納税の上限を計算手取り計算ツールに年収・配偶者・扶養人数・iDeCo掛金を入れると、手取りとあわせて控除上限の目安を表示します。

上限を計算する →

住宅ローン控除とふるさと納税のよくある質問

住宅ローン控除があるとふるさと納税の上限は下がりますか?

一般的にはほとんど下がりません。上限を決める特例分の上限は、住宅ローン控除などの税額控除を引く前の住民税所得割(調整控除後)の20%で判定されるためです。ただし確定申告をする場合は所得税側の影響に注意が必要です。

住宅ローン控除の1年目にワンストップ特例は使えますか?

使えません。1年目の住宅ローン控除は確定申告が必要なため、ワンストップ特例の申請は無効になります。確定申告書に寄附金控除もあわせて記入してください。

ふるさと納税で住宅ローン控除が損になるのはどんなとき?

確定申告で寄附した結果、所得税で引ききれない住宅ローン控除が増え、住民税から引ける上限(課税総所得金額等の5%・最高97,500円)を超えた場合です。ローン残高が大きく所得税が少ない人ほど起こりやすくなります。

2年目以降はどうすればいいですか?

住宅ローン控除は年末調整で完了するので、寄附先を5自治体以内にしてワンストップ特例を使えば所得税に影響せず、住宅ローン控除が無駄になる心配はほぼありません。

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出典・参考資料

本ページの金額は2026年11月時点の制度にもとづく当サイトの試算・解説で、個別の税額を保証するものではありません。最終的な判断は税務署・お住まいの自治体・税理士にご確認ください。

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